大谷山里山牧場会員
笹木昭三(昭和3年3月3日生)
我が里
緑なる山亦山に抱かれし
平和な村よ我が里よ
うぐいすの声に送られて
せせらぎいつしかささやけば
流れも清き羽原川
春はかすむか大谷山か
昔なつかし絵取松
科学の粋を集めたか
高くそびえる中継所
グリーンの絨毯敷き詰めて
小高い丘やあの谷に
行き来る乙女かゴルフ場
西の彼方に日がしずみや
龍王山に登る月
ああ静かなる我が里よ
山 村
住みなれし地
緑なる山々
祖父も父も
此の地に生まれ此の地に逝ける
遠く牛の声を聞き暮らす
田に畑に鍬振りて今日も暮らす
空を真っ赤に染めて
日は西の山にかたむき
鳥はねぐらへいそぐ
白くうねる日暮道
一日の仕事を終わって我が家に
一つの灯の光を求めて帰る人々
山野は又静かなねむりにつく
河 童
今日も河童は泳いでいる
毎日の仕事の様にやってきて
向うの池で泳いでいる
土手に上がって赤銅のように
日焼けした体を干している子
干しては蛙のように飛込んでいる
其れを見ている小さい子
帽子の方が大きそう
西の空に入道雲が顔を出した
河童は平気で泳いでいる
ぱらぱらと雨が落ちてきた
そら夕立だと
皆んな土手に飛び上がり
着物を抱えて
くもの子を散らしたように走り出す
雨はざあざあ降り出した
一目散に我が家に
兄ちゃん待ってえと小さい子が
泣き泣き後を追っかける
やっと家に帰ったら
雨は小さくなっていた